言いがちな「それがルールだから」はホントに正しいの?

   目次     

1.決まりごとに従うことは道徳的に正しいこと?

2.契約と道徳

3.道徳的責任をもう一度考える

 

I.決まりごとに従うことは道徳的に正しいこと?

つい1か月前に、興味深い記事を発見しました。

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事故死したサラ選手の移籍金、カーディフは「契約上の義務なら払う」

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【2月13日・2019 AFP】イングランド・プレミアリーグ、カーディフ・シティのメーメット・ダルマン(Mehmet Dalman)会長は12日、同クラブへの移籍が決まった直後に飛行機事故で死亡したエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手の移籍金に関し、契約で定められているのであれば支払う意思があると話した。

ダルマン会長によると、サラ選手の古巣であるフランス・リーグ1のナント(FC Nantes)から1500万ポンド(約21億円)を支払うよう求められているが、まだ正式には対応していないという。

ダルマン会長は英BBCに対し「契約上の支払い義務があるのなら、もちろん支払う。われわれは公正なクラブだ」と話しつつ、次のように続けた。

「しかし契約にはいくつか気になる点があり、もし義務がない場合、私は会長として、またクラブの利益を守る人間として期待される当然の仕事、つまり契約の中身を確認してわれわれの立場を堅持することをしなければならない。それが現在われわれの取り組んでいることだ」

「今回は不測の事態が発生し、悲劇的な状況になっていることもあって、まだ合意に達していない。ポジティブな声明も、ネガティブな声明も作成していない」「言えるのはただ一つ、答えを出すべき疑問が数多くある点を理解していただきたいということだ」

サラ選手は、空路で新天地カーディフへ向かっていた1月21日に乗っていた小型機が消息を絶ち、その後に海底に沈んでいた機体の残骸から遺体が発見された。小型機は沈んだままで、パイロットのデビッド・イボットソン(David Ibbotson)さんはまだ見つかっていない。(c)AFP

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ここでの問題は「移籍金を払うべきか払わないべきなのか」ということである。契約を交わしているのだから当然、移籍金は支払われるべきであり、それはたまたま起こった事故でありしょうがないことであるという意見もある。一方、それはいわば商品が届いていないのにお金を支払ったもののようであり、契約は破棄ができるべきであるという意見もある。

 

契約とはどこまでの力を持つのだろうか?そして、この事件に道徳がどのようにかかわってくるのだろうか?

 

社会において契約は何かを決めるためには必要不可欠なものであり、それはお互いに信頼を確実にするためのものでもある。